IPOスケジュールと企業内容のメモ書き(2) ~12月12日の週のIPO銘柄について(2022.12.12 追記あり)
2022.12.7 IPOスケジュールと企業内容のメモ書き(2)
~12月12日の週のIPO銘柄について
2022.12.12 17:14追記:
12/15(木)に上場予定だった AnyMind Group(5027)ですが、
上場承認取り消しの申し出があったため、上場が取りやめとなりました。
よって、12/15はIPO上場は1件のみとなりますのでご注意ください。
今週も週中を迎え、いよいよ来週からIPO上場ラッシュとなります。
先週上場のサイフューズとウェルプレイド・ライゼストは、
なかなか激しい動きを見せており、デイトレで狙う方も多いと思います。
サイフューズのように、上場初日の取引開始直後あたりのような、
大きな下げの後に大きく株価が伸びたり、逆に過去のIPOの中でも、
ビジネスコーチ*(9562・2022年10月20日上場)初日にストップ安を
付ける銘柄もあり、株価の動きはそれなりの理由があって需給に表れて
動くので、事前の企業内容の把握は大切となります。
サイフューズに関しては、一旦は感情的な需給で下げたものの、
取扱商品の唯一無二に近いものを取り扱っていることから、大きく株価が
上昇し、本日に至っては需給でIPO売出価格付近まで下がってくるという
状況となっています。
個人的には「なんでやねん(´・ω・`)」って突っ込んでしまうのですが、
売り側の考え的には、諸々の事情で株価が下がっても売りと判断した
のだろうと思うところです。
さて、12日の週のIPO上場銘柄の内容を確認したいと思います。
注記:先日の記事で一部同じ内容が既に書いておりますが、
その内容を一部訂正の上、改めて書きましたので、
ご容赦頂ければ幸いです。
また、情報源としては各企業のHPの他、「IPO 株のはじめ方」さん
を参考にさせて頂いております。
デイトレ初心者であれば、IPOの羅針盤として良質な情報源です
ので、ご存じでない方には特におすすめです。
出典は下記のとおりとなります。
*)ビジネスコーチの上場日初日については、過去のブログ記事にも
簡単ですがエントリー失敗談として記載しておりますので、
興味がありましたら、是非ともこちらもご覧頂けますと嬉しいです。
IPO上場企業数 8社
・12/12(月)0件
・12/13(火)1件
propaty technologies(5527)
会社設立:2020年11月(今年で3年目)
事業内容:中古住宅再生および戸建住宅の販売・仲介
公募価格:2,950円
株主構成・ロックアップ期間(設定のある株主のみ):
濱中 雄大(社長) 76.42% 180日間
J-GIA1号投資事業有限責任組合 18.52% 180日間
髙橋 正哉 0.64% 180日間
杉浦 潤一 0.56% 180日間
田井 昇 0.56% 180日間
水野 治 0.37% 180日間
松岡 耕平 0.37% 180日間
過去5年間情報(※設立日の関係で過去2年分のみ)
売上増収:20年11月期 26,463百万円 → 21年11月期 29,544百万円
当期純利益:20年11月期 515百万円 → 21年11月期 1,035百万円
所感:不動産業のため、決算金額規模は大きくなります。
初年度からしっかり利益も出ており、昨今の不動産業界状況は、
中古物件の販売が順調に伸びている傾向があることから、
企業価値としては良いポテンシャルを持っていると言えますが、
ジャンル的に玄人向けと言えます。
また、オーナー社長の株式保有割合もかなり多いので、
ここも注目ポイントという事が出来ます。
・12/14(水)2件
大栄環境(9336)
会社設立:1979年10月(44年目)
事業内容:廃棄物の収集運搬、中間処理・再資源化、最終処分関係全般
資源リサイクル事業
公募価格:1,350円
株主構成・ロックアップ期間(設定のある株主のみ):
ウイングトワ(株) 98.28% 180日間(非上場会社)
金子 文雄(社長) 0.05% 180日間
井上 吉一 0.05% 180日間
大田 成幸 0.05% 180日間
篠原 啓二 0.05% 180日間
東井 基光 0.02% 180日間
石川 光一 0.02% 180日間
出射 邦彦 0.02% 180日間
下田 守彦 0.02% 180日間
過去5年間情報
売上(連続増収)
18年3月 29,031百万円 → 32,101 → 33,758 → 61,608 → 64,992
当期純利益(連続増益・直近年度は微減)
18年3月 2,289百万円 → 3,496 → 8,035 → 9,230 → 8,870
所感:廃棄物処理業界の超老舗企業の上場です。
安定売上、利益も安定して出している内容となっています。
資源リサイクルによる貴重資源の獲得販売も可能であり、
地味な業種ながらも手堅い仕事と言えるかと思います。
今回の資金調達でM&Aを行う予定となっており、業務拡大戦略と
しては、なかなかに面白味のある状況と言えます。
また、親会社も近畿東海圏では超大手の企業で、なおかつ
非上場会社でもあることも注目点と言えます。
ロックアップ期間設定があることから、ロックアップ解除
となったときに、株式市場にどのような売り方をしてくるか
も注目となります。
スカイマーク(9204)
会社設立:1996年11月(27年目)
事業内容:航空運送業
公募価格:1,170円
株主構成・ロックアップ期間(設定のある株主のみ):
インテグラル2号投資事業有限責任組合 42.93% 180日間
UDSエアライン投資事業有限責任組合 33.40% 180日間
ANAホールディングス(株) (P・9202) 16.50% 180日間
Integral Fund II(A)L.P. 4.75% 180日間
過去5年間情報
売上(コロナ減収あり)
18年3月 82,834百万円 → 88,207 → 90,360 → 34,064 → 47,147
当期純利益(コロナ減益あり)
18年3月 7,003百万円 → 8,832 → 2,811 → -29,602 → -15,079
所感:LCC代表企業の一角として有名な企業です。
コロナ感染症の拡大により、直近2年間は大きく低迷しましたが、
直近年度は徐々に回復しているようです。
今回の資金調達により、新型航空機導入資金として利用するとの
ことです。期待銘柄ではあるものの、上場日同日に安定銘柄の
大栄環境も上場することで、バッティングしたときの影響が
どのように出るかがポイントになると思われます。
また、大株主は投資事業有限責任事業組合であり、他の銘柄
と比べると、株主構成が特殊と言えます。
ロックアップ解除後の動きは注意が必要になってくると
思われます。
2022.12.13追記:
スカイマークはLCCではありません。後発組ですがサービス充実の
航空会社です。ホント、大変失礼しました orz
12/15(木)2件
スマートドライブ(9204)
会社設立:2013年10月(10年目)
事業内容:モビリティデータを活用した各種サービスの提供
具体的には「移動」に関するビックデータの
収集・分析と、その情報の提供とシステム運用の提案
公募価格:1,320円
株主構成・ロックアップ期間(設定のある株主のみ):
(株)OMU 46.78% 180日間
TJ2015.FUND LP 7.13% 90日間 1.5倍
Monoful Pte. Ltd. 6.24% 90日間 1.5倍
ANRI1号投資事業有限責任組合 5.20% 90日間 1.5倍
加藤 雅之 3.41% 180日間
住友商事(株) 2.19% 180日間
田中 基博 2.11% 180日間
三菱UFJキャピタル5号投資事業有限責任組合 1.95% 90日間 1.5倍
過去5年間情報
売上(連続増収)
17年9月 9百万円 → 98 → 191 → 399 → 828
当期純利益(連続赤字・直近赤字規模減少)
17年9月 -397百万円 → -602 → -742 → -764 → -328
所感:情報系の企業ですが、主に法人向けの情報提供サービスが
主な業務のようです。
のためのリサーチ情報の高度な分析などに応用できそうな
内容のように見受けられます。
既に取引先に、小田急やHonda、損保ジャパンなどが
あり、収集情報から業務判断の重要な資料として運用が
求められる場面に大きく貢献できると想像ができるところです。
同様の競合他社としては、有名どころではプレイド(4165)
などが挙げられます。株価も割と似ている水準であることから、
プレイドを参考にしながらの取引になる可能性が十分考え
られます。
AnyMind Group(5027)
会社設立:2019年12月(4年目)
事業内容:ブランド企業向けマーケティング支援、
パブリッシャーおよびクリエイター向け収益化支援
D2C支援に関するプラットフォームとサービスの開発提供
公募価格:1,000円
株主構成・ロックアップ期間(設定のある株主のみ):
十河 宏輔(社長) 37.21% 360日間
小堤 音彦 9.54% 360日間
SMBC信託銀行(特定運用金外信託 未来創生2号ファンド) 6.77% 180日間
JATF VI (Singapore) Pte. Ltd. 1.5倍 6.63% 80日間
JAFCO Asia Technology Fund VII Pte. Ltd. 1.5倍 4.81% 80日間
JICベンチャー・グロース・ファンド1号投資事業有限責任組合 3.92% 180日間
JPインベストメント1号投資事業有限責任組合 2.86% 180日間
日本グロースキャピタル投資法人 2.42% 180日間
渡邊 久憲 1.86% 360日間
過去5年間情報(注:最終年度は進行期で第3四半期決算まで)
売上(連続増収・直近微減)
19年12月 6,503百万円 → 11,080 → 19,253 → 17,191
当期純利益(赤字縮小)
19年12月 -349百万円 → -1,046 → -539 → -123
所感:概ね、広告・情報運用コンサル業のイメージと考えられます。
かなり横断的な業務範囲となっていて、少々捉えるのが
難しいかもしれません。売上規模も確保しつつ、最終損益も
損失縮小(第3四半期業績)であり、なおかつ12月本決算
であることから、3か月後あたりに大きな株価材料が出る事も
注目ポイントとなります。
業界の知識のある方であれば、長期保有を狙った購入も
良いかもしれません。
12/16(金)3件
フーディソン(7114)
会社設立:2013年4月(10年目)
事業内容:飲食店向け食品eコマースサービス『魚ポチ(ウオポチ)』
を主軸とした生鮮流通プラットフォーム提供事業
業務用生鮮品仕入サイト・アプリの運用がメイン
公募価格:2,300円
株主構成・ロックアップ期間(設定のある株主のみ):
山本 徹(社長) 50.65% 180日間
(株)リープラジャパン 20.48% 180日間
グローバル・ブレイン5号投資事業有限責任組合 7.17% 90日間 1.5倍
SBI AI&Blockchain投資事業有限責任組合 2.93% 90日間 1.5倍
(株)ミロク情報サービス (P・9928) 2.87% 180日間
内藤 直樹 2.25% 180日間
谷村 格 1.56% 180日間
三菱UFJキャピタル5号投資事業有限責任組合 1.43% 90日間 1.5倍
電通デジタル投資事業有限責任組合 1.43% 90日間 1.5倍
伊藤 貴彦 1.15% 180日間
過去5年間情報
売上(連続増収)
18年3月 1,627百万円 → 2,181 → 2,871 → 2,956 → 3,592
当期純利益(赤字幅連続縮小)
18年3月 -443百万円 → -121 → -13 → -64 → -13
所感:業務用の生鮮食料品仕入のネットサイトの運営という事で、
なかなか面白い試みと思います。
ポイントは、マッチングする生産者と飲食店のユーザー数を
いかに広げるかがポイントになります。
個人的な印象としては、大衆店系のお手頃な値段で商品提供
をする飲食店がメインになるのかと思います。
その関係で、ユーザー数をある程度確保することが、
事業拡大の要になりそうです。
あとこれも個人の感想ですが、株主の中にプレミア市場の
「ミロク情報サービス(9928)」の名前があります。
ミロク情報サービスは、主に会計ソフトの開発販売会社なので、
全くの業務関連性の無いところで関連するのが、ものすごい
意外性を持っているので、この点でも面白味があるのかなと
思うところです。
この辺の関連性がどこかに情報が載っていれば面白いのですが、
現段階では、それらしい情報が見つからなかったので、
関係者がどこかで話してくれることを祈るばかりです。
オープンワーク(5139)
会社設立:2007年6月(16年目)
事業内容:転職・就職のための情報プラットフォーム『OpenWork』
の開発・運用業務を含むワーキングデータプラットフォーム業務
公募価格:3,150円
株主構成・ロックアップ期間(設定のある株主のみ):
(株)リンクアンドモチベーション 56.98% 90日間(P・2170)
増井 慎二郎 32.77% 90日間
小倉 基弘 4.17% 90日間
川島 浩治 1.88% 90日間
小澤 博之 1.04% 90日間
大澤 陽樹(社長) 0.80% 90日間
池内 駿介 0.34% 90日間
過去5年間情報
売上(連続増収)
17年12月 776百万円 → 1,037 → 1,419 → 1,461 → 1,536
当期純利益(継続利益・増減あり)
17年12月 311百万円 → 321 → 180 → 167 → 232
所感:就職・転職活動している方であれば、名前を聞いたことがあると
思いますが、企業の職場評価の口コミサイトを運営している
会社です。
個人的には、まさかまだ上場していなかったのかと、逆に
驚きましたが、就職支援サイトとなり、収入も安定、
最終利益も、増減はあるものの安定して確保できているので、
安定している企業と言えます。
また、昨今のコロナ感染症による就職関係への大きな影響も
あり、一昨年の決算年度では大きく下がっているものの、
利益を確保できていることから、財務体質も良いと言える
ところです。
業種によって人材不足も言われている中で、会社側と就職
希望者との間のミスマッチを埋める意味で、OpenWork社の
役割は非常に大きいと思います。
成長企業というよりは、安定企業的な立ち位置なのかな、と
思うところです。
配当政策等、今後情報が出てくるかと思いますので、その辺
も併せて分析して、長期保有するかどうかを判断して行ければ
と思います。
Rebase(5138)
会社設立:2014年4月(9年目)
事業内容:レンタルスペース予約プラットフォーム『インスタベース』
などのサービスの提供
公募価格:920円
株主構成・ロックアップ期間(設定のある株主のみ):
(株)elpido 32.18% 180日間
佐藤 海(社長) 24.24% 180日間
髙畠 裕二 14.71% 180日間
(株)El Monte Garage 8.28% 180日間
SBIベンチャー投資促進税制投資事業有限責任組合 2.78% 90日間 1.5倍
石田 貴心アレキサンダー 2.41% 180日間
SBIベンチャー企業成長支援3号投資事業有限責任組合 2.15% 90日間 1.5倍
赤木 賢敏 2.09% 180日間
SBIベンチャー企業成長支援4号投資事業有限責任組合 1.55% 90日間 1.5倍
過去5年間情報
売上(連続増収)
18年3月 107百万円 → 163 → 368 → 476 → 890
当期純利益(3年連続増益・一部年度赤字あり)
18年3月 0百万円 → -14 → 16 → 90 → 140
所感:レンタルスペースの運営会社という事で、昨今のコロナ感染症
の環境下では、需要の多い業種と言えるかと思います。
企業HPでもサービス連携の企業名に、リコーやシャープマーケ
などの名前が並んでおり、その他プレスリリース情報を
一通り見る限り、個人的には非常に面白そうな企業のように
思いました。
ただ業種的には、西武や東武、ニチイ学館(2020年に上場廃止)
などの超が付く大手が競合として名を連ねているので、
この中でどのような戦略で企業運営していくかが見どころと
なります。
業績も連続増収・黒字転換後3年連続増益という事もあり、
業績も好調という事が出来ます。
上記を見る限り、面白い企業が多いと思うところで、
あとは、上場日当日に寄ってくれるかどうかが気になるところですが、
こればかりは投資家の需給次第なので、当日蓋を開けて考えるしか
ありません。
もう少し事前情報を精査して行ければと思いますが、
次の週のIPO上場数は、11件と更に多いので時間との勝負となります。
出来る限り情報を集めて行ければと思います。
直前には、各銘柄の注文板中心価格や更新幅などの発表があるので、
それもまとめるとなると、結構大変ですね・・・(´・ω・`)
ここまでご覧頂きまして有難うございました。
IPO銘柄は分析すればするほど、色々情報が出てくるので際限が
ありませんが、それも含めて何とか自分のモノにして行ければと
思います。
次週以降分のIPO銘柄は、また記事にしてあげます。
という事で、お疲れさまでした。