疲れ果てた元税理士事務所職員の備忘録

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ふるさと納税と返礼品 その2 ~ ふるさと納税って何?(税金関係の備忘録)

2022.11.5 税金関係の備忘録

ふるさと納税と返礼品 その2

 

そもそものところで、

ふるさと納税によって、具体的にどのような効果があるでしょうか?

正確に答えられる方は、どれだけいるでしょうか?

・住民税が安くなる? → 当然正解です。

所得税が安くなる? → 正解です。確定申告が前提ですが。

 

では、具体的にどのような手順を踏んで、住民税が安くなるのでしょうか?

・ワンストップ特例制度を利用する → もちろんこれは正解です。

・確定申告をする → 当然正解ですが、手続き面倒くさいですよね。

          確定申告すると、ワンストップ制度対象外になるし。

 

では、このワンストップ特例制度を利用するとして、

・具体的に「どのような計算の流れ」で「どれだけ安くなる」のでしょうか?

・また、本当に確定申告はしなくてもいいのでしょうか?

 

これについて、自信もって正確に答えられるでしょうか?
答えられる人は、税金に確実に強い人と言えます。

 

結論から言いますと、次の2点になります。

ふるさと納税で支払った年度の次の年度の住民税納付が安くなる。

 この点は、理解できている人は多いと思います。

 →ただし、何かしら計算ミスや申告等の行き違い、自分の申請ミス等で

  反映がされていない等、いろんな要因があります。

  処理が間違っていても、役所側はほぼ何も言ってきません。

  間違ったままスルーになります。

  なので結局、自分自身の税金計算状況(専門用語で課税状況)を

  チェックするという手順は、間違いを防ぐためには必要となります。

  役所側も万能ではないですし、申告した本人も「正しく申告した」と

  思い込んでいて、実は適切に出来ていなかったという事も結構あります。

  なので、自分を守るためにチェックはしておくのが最良です。

 

・本当に確定申告しなくていいのかどうかについては、

 「結果的には、所得税・住民税全体としては負担は変わらない」

 ので、下記の点が気にならなければ、申告せず、ワンストップ制度

 だけでOKです。気になる論点としては、

 「確定申告すれば所得税部分限定ではありますが、

  来年度の住民税軽減ではなく、税金還付で手元にお金が戻ってきます。

 そのため、所得税部分についてではありますが、

 「住民税で所得税分も一緒に軽減」か「お金で還付」かの選択肢となります。

 国側としては、税金還付手続きが不要になるので、

 ワンストップ特例制度を利用してもらった方が、振込手数料と振込手続きの

 事務的コスト部分で手間が省けるという事になります。

 

手続き面で考えると、お金が実際に手元に戻るかどうかの差があるため、

思っていたより切実な論点ではないかと思います。

上記のことからワンストップ特例制度は、

確定申告で税金還付を急がない人向け」の制度と言う事が出来ます。

前倒しで手元に税金還付したい場合は、

ワンストップ制度は逆に利用してはいけない、という事になります。

 

※ 一応、念のため。ワンストップ制度を利用する以前に、

確定申告が強制されるような方に関しては、ワンストップ制度自体が

制度の特性上意味が無くなってしまうので、全て確定申告で精算一択となります。

 

結論的には、

「お金で還付」か「住民税減税」かの選択肢になりますが、

上記のような一連の判断材料のある論点なので、考える余地はあると思います。

 

ということで、事務手続き面での考え方となります。

これについては、総務省HPにもフローチャート的な書き方で説明がありますので、

気になる方は、ぜひ参考にして頂ければと思います。

 

総務省HP「ふるさと納税の流れ」

www.soumu.go.jp

 

―――次に続きます